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お客様の声

日立ソフト 尾形氏

「組織を変える改善策がお互いにつながりを持ち、持続的な好循環ループになるような仕組みを作りあげたい。そのためには人材や顧客との関係性など、企業の本質的なインフラをいかに強化し、連動させるかという視点が必要なのです。」

企業概要ならびにプロジェクト導入背景

日立ソフトウェアエンジニアリングは、基幹産業や社会インフラのコアシステム開発を数多く手がけている優良企業であるが、事業環境の急速な変化に伴う2004年の業績悪化を受け、事業構造・プロセス改革の一環として2005年9月よりアクセルの知的資本評価(IC Rating®)を実施。構造改革にメドを付けた後に、2006年10月より持続成長を目指す全社運動「チャレンジ8+(エイトプラス)作戦」を開始。そのテーマの一つとして、新規事業を従業員が自発的に生み出す土壌作り(新規事業公募制度)に取り組んでいる。アクセルは、その公募制度の立上げと運営の支援をさせていただいている。

継続的にイノベーションを生み出す組織への変革を支援

弊社の知的資本経営コンサルティング導入のきっかけをお聞かせください。

日立ソフトには非常に優れたモノづくりの力があり、まだまだ潜在力があると私は感じています。社員の力、組織の力を、今後どのように伸ばしていくべきか。自分の中で漠然とした方向性を持っていたものの、明確なものにはなっていませんでした。そこで、今後自信を持って事業を進めていくためにも、自社の潜在力を客観的な指標を用いて把握・検証し、強みやポジションをクリアにしたいと考えたのです。そこでアクセルの知的資本評価(IC Rating®)を2005年に実施したのですが、自分達の強みや事業の方向性をはっきりさせるという点で、非常に良い手法だったと思っています。

IC Rating®の結果、どのような方向性が出たのでしょうか?

IC Rating®のインタビューを通じて、お客様の弊社への期待の内容や、社内の幹部・従業員の間のギャップ、本社の開発部隊と客先常駐の開発部隊のモチベーションの違いなどを把握することができました。それらをもとに、自分達の強みと弱みを客観的な視点で再整理し、自社の基盤が何か、今後進むべき事業の方向性は何かということを、クリアにすることができたのです。最終的に組込みソフトウエア事業では、もともとの事業の柱であった人員リンク型の受託開発ビジネスは保持しつつ、新たな事業の柱として組み込みのパッケージビジネス、コンサルティングビジネスを加え、3つの事業を今後の柱とする方向性に結実しました。あのプロジェクトは、弊社の問題意識とアクセルの手法がぴったりと合致し、一緒になって新たな可能性が引き出せるという、非常に良い結果をもたらしたと感じています。

その後3つの新しい事業は、どのように成長していったのでしょうか?

3事業それぞれ規模が拡大してきています。今や組み込みのパッケージ、コンサルティング事業ともに専門の部に昇格し、収益責任を持つまでに大きくなってきています。2005年当時から比較すると、当時の組込みソフトウエアのビジネスは派遣型や一括請負型の受託開発がほとんどでした。今では売上げ規模全体も1.3倍にまで拡大、立ち上げた2本の新ビジネスの規模も、当初はわずかでしたが、徐々に大きくなってきて、それぞれ数億円程度にまで成長しています。今後もさらに伸ばしていく方向で進めています。

一方、お客様からはどのような期待の声が寄せられたのでしょうか。

お客様からのインタビューコメントでは、「単なる協力会社としてではなく、本当は自社のパートナーになってもらいたい。だからもっと踏み込んだ提案を出してほしい」という声をずいぶんいただきました。お客様からそのような期待を受けていたことは、私達にとって嬉しく、ありがたい発見でした。お客様とパートナーシップを深めていくということは、お互いのビジネス戦略を可能な限り共有しながら、未来を一緒に創っていくということです。ですから、以前はお客様との接点は、開発製造の段階が主だったのですが、今は、より上流工程、例えば仕様の企画段階から開発に参加するなど、接点を増やすような方向で進めています。

お客様との関係が変化したことにより、社員の方にも何か変化が現れましたか?

お客様とのパートナーシップのあり方が変化したことで、提案活動や開発のプロセスが進化しました。これまでは自社の技術や製品を中心にした提案・開発になりがちな部分がありました。それが、本当にお客様に喜んでもらえるものを作り出そうという、マーケットインの思考に変化したのです。何度も思考やディスカッションを重ねた後に、「これならお客様に喜んでもらえる」と自信を持って開発に着手し、結果生み出したものが実際に売れていく。お客様に喜んでもらえることが、仕事に対するやりがい・モチベーション向上につながり、それが更に製品や仕事の完成度を上げることにつながっていますね。いい循環が出来ると、社内が非常に活性化します。

IC Rating®の結果をもとに、事業化プロセスの見直し活動を進めてきたわけですが、もう一つの活動として、新規事業の公募制度を始めました。 弊社の制度の特徴は、事業化の案をまとめ、ある時期まできたところでその発案者を通常業務からはずし、人材・資金と組織的支援をつけ、新事業を考えることだけに専念させることです。最終的には発案者の練り上げたプランを、会社として買うかどうかという、社内ベンチャー制度的な形で運営しています。これはなかなか他社にはない取組みだと思いますね。 このプロセスでも先のマーケットイン型の手順を使っています。

この制度は今年の4月で早3回目を迎えますが、昨年は年間約500件の応募がありました。そのうち、実際に事業化のフィージビリティにまで進んだものは8件で、現在も進行中です。アクセルには運営全般をサポートいただきましたが、弊社としては、この制度はぜひ定着させたいと思っています。単なるケーススタディとしてではなく、現実の仕事として1つの事業を最初から最後までまとめることは、非常に社員のモチベーションが向上しますから。

変化の仕組みがうまく組織に根付いてきたということでしょうか。

こういった制度の改善や定期的なIC Rating®を実施することで、会社にとってプラスになる活動が定着化し、改善策同士がつながり、かつ持続的な好循環のループが出来上がっていくはずだと思っています。会社の力を引き出せるような、好循環のループを作るためには、ここで減価償却すればよいといった対症療法的な手法だけではなく、人材や、お客様との関係など、企業の本質的なインフラにあたる知的資本をどうやってより強くするか、より向上させていくかという視点が必要だと思っていますから。アクセルのサービスにはその視点がベースにありますので、私は非常に共感していますし、今後も共に好循環の仕組みを作り上げていけよう、期待しています。

(2008年4月2日取材)

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