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アラクサラネットワークス 和田社長

「合弁会社を設立する際は、2社の価値を足し算して1+1=1.3くらいになればいい方ですよね。けれどもNECと日立が合併してアラクサラになれば、その足し算した価値は絶対2以上になるはずだと思っていたのです。そのことを証明したかった。」

企業概要ならびにプロジェクト導入背景

アラクサラネットワークス株式会社は、2004年10月に日立製作所60%、NEC40%の出資比率で設立された合弁会社。基幹系ルータとスイッチの開発・製造・販売・保守などを行う。「ギャランティード・ネットワーク」というコンセプトを提唱。アクセルは合併前後の2004年と2005年に知的資本評価(IC Rating®)を実施。合併後、中期経営計画の策定と販路拡大のための営業基盤確立の実行支援を2006年末まで継続。

※「ギャランティード・ネットワーク」:ネットワークを支える製品機能の安定・信頼性から、導入前後のサポート体制まで含めてきめ細かなサービスを実現し、ネットワークというライフラインを維持・保証する、という考え方。

2社の強みがどのように補完されうるのかを可視化。シナジー創出の基盤作りに貢献

弊社の知的資本経営コンサルティング導入のきっかけをお聞かせください。

一言で言えば運命の出会いでしたね。私は以前日立製作所にいた時代に、日立コンピュータプロダクツ(アメリカ)(HICAM)という米国法人に3年ほどおりました。アメリカでは、自社の設計者のバリュー評価が容易にできますが、日本ではそうではない。私がIPネットワーク事業部長として日本に戻ってきてみると、皆いい製品を開発しているのに、それほど売上が伸びていないのです。さらに、自社の持っているエンジニアのスキルをはじめとした技術的な価値が、世の中でどのような評価されているのかという点をはっきり掴めていませんでした。そんな時に運命的に、知的資本というスキームを持つアクセルに出会ったのです。お客様から、自社の何が最も重要な価値だと評価されていて、そのことがどう売上につながっていくのかということを、定量的・定性的に把握できるということが分かり、私が本当に知りたかったのはまさにこれだ、と思ったのです。

それと時機を同じくして、合弁会社(現アラクサラネットワークス)を設立するという話が出てきました。合弁会社を設立する際は、2社の価値を足し算して1+1=1.3くらいになればいい方ですよね。けれども私は、NECと日立が合併してアラクサラになれば、その足し算した価値は絶対2以上になるはずだと思っていたのです。そのことをしっかり掴んで証明したかったのです。 知的資本のスキームで考えれば、2社が合併すれば、その新会社の価値は絶対上がっていくだろうと。実際IC Rating®によって、お互いの強みとそれらが補完しあうことが把握できたことにより、このビジネスは成功するはずだ、という私の直感が裏づけられ、最終的な決断の一要因にもなりました。また、アクセルの情熱、熱心さも、私の中では安心材料の1つだったのです。こういう人達と一緒に取り組めるなら、自信を持ってやっていけるだろうと。

NECと日立というライバル同士の合併において、具体的に補完し合う部分が事前に可視化できたことが、合併の判断材料になったということでしょうか。

そういうことです。合併直後は慌ただしく、じっくりと自社の価値を見つめなおすことはなかなか難しいものですが、先々を見据えるためには、自社の価値をきっちりと把握し、クリアなミッション、テーマを定義するということが非常に重要だと思います。しかし、それぞれが持っている技術・プロセスや文化が全く違うので、価値に対する評価関数も違うのです。ですから合弁会社設立においては、まずその評価関数を合わせこむことが大事だと思いますね。それがまさに、この知的資本というひとつの言語を用いることで可能になったのです。2社の強みが何なのか、どのように補完しあうのか、共通の土俵で議論や意識合わせをしたことで、シナジー創出の基盤作りができたという点が、最も価値あることでした。

合併後2年半ほどプロジェクトを継続されましたが、新しい気づきはありましたか。

アラクサラは設計者のスキルが高いことは分かっていたのですが、社外との関係、つまり知的資本の文脈でいえば関係資本の方はゼロからのスタートでした。新しい販売チャネルを開拓する必要があったため、まずはビジネスパートナーから何が評価されていて、今後何を期待されているのかを掴みたかったわけです。IC Rating®のインタビューの結果、パートナーから期待されている点、改善を求められている点が見えてきました。インタビューコメントの内容は、我々の想定通りのものもあれば、そうでないものもありました。相手が望んでいる内容から、自社の価値をより高め、弱い部分は補填するという活動を地道にやってきた結果、今では売上に占めるパートナービジネスの比率も高くなっています。これはIC Rating®抜きでは考えられなかった成果だと思います。しかも、「日経ソリューションビジネス」の、"2008年 第10回パートナー満足度調査 ネットワーク機器部門"で、弊社が1位を獲得したのですよ。(※注)
品質だけでなく、サポート体制が評価されたことを非常にうれしく思っています。

※注:「日経ソリューションビジネス」2008年1月30日号に掲載。
アラクサラネットワークス社のサイトはこちら:http://www.alaxala.com/jp/news/080208.html

知的資本経営コンサルティングを導入後、一番変化した点をお聞かせください。

関係資本の面で言いますと、お客様に対して、冷静な見方ができるようになりました。この知的資本のスキームを使うと、自社のことだけでなく、逆に相手のことも見えてきます。ヒアリングの結果、何を要望しているかが見えてきますから。それから後は、もう一段上の自信を持てたのですよね。例えば、製品の信頼性に対するお客様の期待度が、我々の想定と同じく、やはり高かったことが分かったとします。するとその点に関しては絶対守らなければならない、期待通りやらなければいけないと思えるわけです。そうして確固たる自信を持って活動してきた結果、最近、大手製造会社からの受注に結びつきました。お客様が一番期待している点は信頼性であるということが分かり、それならば絶対勝負できる!と、自信を持って商談に行くことができたのです。信頼性に関してアラクサラは絶対的な自信がありましたから。つまり自信が行動につながったことが一番の変化ですね。結果的に大きな受注につながったのですから。

私も合併当初は、我々の強みは分かっていたものの、それをどう戦略に結び付けるのか試行錯誤を重ねてきました。それがこの受注により、我々のギャランティード・ネットワークというコンセプトは正しかったと、改めて確信しました。つまり、戦略の方向性についてはっきり絵が描けたということです。

(2007年12月11日取材)

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