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大手飲料メーカーであるA社は、先進的な試みが注目される企業だったが、外資系企業の進出による飲料市場の競争が激化する中、新しい成長の柱を見出せず、業績面で精彩を欠き株価も低迷していた。このため経営陣は、迅速な意思決定を伴う経営改革の実行には、株主の集中が不可欠と考え、MBO(Management Buyout)の実施を検討していた。また実施のためには単なる資金提供ではなく、経営ノウハウや人材、各種ネットワークを提供できる投資ファンドの協力が必要だと考えていた。
最終的に数社のファンドの中から、「投資を実行した企業を、当ファンドから離れた後も競争力ある企業として発展し得る企業へと育成する。」との理念を掲げるXファンドに絞られ、Xファンドによるデューデリジェンスが始まる。

Xファンドは、財務・法務・事業、それぞれの面での投資性評価に加え、投資後の事業改革力・保有知財・ブランド・人材力など、財務諸表に現れない企業価値向上力を、重要な投資基準として考慮していた。そこで定量的な事業分析による現事業の堅牢性評価と、IC Rating(R)による知的資本デューデリジェンスの実施がアクセルに依頼された。IC Rating®の実施に際しては、株主、消費者、従業員、役員、事業パートナーなど、同社の再生にとって重要な役割を果たしていると想定された50名弱を対象に、徹底したインタビューが行われている。この結果、販売チャネルのマネジメントなどに十分でない点があるものの、特定の商品についてのブランド力と技術力の強さが改めて確認されるなど、経営改革のドライバーとなる事業上の強みが浮彫りになったのである。

知的資本デューデリジェンスによる踏み込んだ評価により、組織・人材上のリスクも含め、組織改革の方向性を投資前に明確にイメージすることが可能になった。その結果、共同で資金を提供する金融機関に対しても綿密な事業計画を提示することが可能となり、十分な資金が確保できた。
また、社内的には、企業価値向上のドライバーが何かということについて、事前に共通認識を持つことができた効果も大きい。TOBの実施と上場廃止に伴い、従業員は株主・経営陣の顔ぶれが大幅に変わり不安を感じていたが、Xファンドが数字を追うばかりでなく、A社が持っているブランドや技術の強みをきちんと理解し、明確な方向性を持っていることを伝えると、従業員たちの不安が和らぎ、また意思疎通がスムーズになることで、TOB後の改革実施のスピード向上にも役立っている。

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